栗のトレイができるまで
いつも日々の手作りやスローライフについて
綴っていて忘れられがちですが、
私、本業は木工です。
とは言っても、まだまだ新米で
フルタイムで本格的に始めてからは
半年も経っていません。
失敗ばかりしています。
学生時代や会社員生活では
失敗する前に確認/修正できる状況が多かったので
大きな失敗ってあまり経験したことがなく、、
物理的に失敗する木工は結構きついです。笑
しかも、普通では考えられないような
とんでもない失敗ばかりするので泣きそうな日々ですが…
失敗は成功のもと!同じ失敗は二度としない!
と前向きにやっています。💪
前置きが長くなりましたが、
今回はとーっても素敵なご夫婦から、
5年目の結婚記念でご注文いただいた
栗のトレイについて書いていきたいと思います。
栗のトレイは、元々刳物から木工を始めた父の指導のもと、この半年間で何枚か作りました。
写真は2枚目に作ったトレイです。
写真のようなトレイになるまでには、まず製材から始めます。
写真は、切って短くなっていますが、
元々はもっと長いものでした。
何を作るにしても製材をするのですが、
私が木工を始めて1番驚いたことかもしれません。
えっ!?こんな大きな木の塊を私が製材すんの!?
と思いました。緊張します。
これを、きれいに板にしていきます。
輪郭を決めたら、荒削りです。
ディスクグラインダーでギャーっと削ります。
できるだけ機械で削り、次は鉋で荒削り。
今まで父の鉋を借りていたのですが
そろそろ借りるのを卒業しようと思い
自分の鉋を作りました。
父が地元の鍛治屋さんと知り合ったことで生まれた鉋仕上げでは、
(サンドペーパーを使わずに鉋で仕上げることをいいます。)
様々な形の鉋が必要になってきます。
作るものの形に応じて、自分たちで色んな鉋をつくります。
鉋の作り方はまた別途書きたいと思います。
荒削りができたら、きれいにしていって、
仕上げをして、染めて、磨いて、完成です。
磨きのパートも非常に大切です。
父が開発に携わっている撥水セラミックというガラス塗料を使用するのですが、鉋仕上げとの相性もよく、磨けば磨くほど、木の艶がでてきてピカピカになるんです。
木に非常によく浸透し、空気中の水分と反応することでガラスになるため撥水性抜群です。
食品安全も取得済みなので安心して使えます。
磨かなくても触っていると、
年月と共に自然とピカピカになるのですが
納める前にその状態に近づけます。
どんな風に使ってほしいかという
メッセージのようなものかなと思っています。
刳り物って、とっても難しいです。
例えばトレイであれば
トレイの中でどれだけ自分の世界を表現するか。
刳物に限らず、ものづくりでは自分の世界を表現するって1番大切なことですよね。
自分の世界って何だろう?
そもそも私って…?
というところまで考えさせられます。
まだまだですが、日々考えます。
今回は日々の仕事のことを書いてみました!
また、少しずつ木工について
書いていきたいと思います。